いつもお読みいただきありがとうござます。
感謝しています。
さて、今回読んだ本は、ピクサー社の社長エド・キャットマル氏がハーバード・ビジネス・レビュー誌に寄稿した論文を訳出したものです。
本書は大きく2部構成で、第1部は、キャットマル氏のピクサーのマネジメントについての論文であり、第2部は、翻訳者の小西未来氏のピクサーの力についての考察です。
【目次】
まえがき―本書について
第1部 ピクサー流クリエイター集団のつくり方
はじめに
第1章 クリエイティビティとは何か?
第2章 ピクサー文化のルーツ
第3章 ピクサー流経営術
第4章 正しい軌道を維持するために
おわりに
第2部 ”ピクサー力”を検証する
ピクサー映画の作り方
内部証言「ピクサー人事のマジック」
ピクサーに潜入!
ピクサー小史
ピクサー長編作品リスト
あとがき
キャットマル氏は、コンピュータグラフィックスで超有名なユタ大学で科学者としても活躍されてますが、ピクサーでは、クリエイター集団を束ねています。
2006年にディズニーに完全子会社としてピクサーが買収されると、ディズニー・アニメーション・スタジオの再建を任されます。
そして、ディズニーの再建に成功すると経営方法について自信をふかめたそうで、その結果がこの本(論文)なんだそうです。
ピクサーだけに通用する方法ではなく、ディズニーでも通用した方法であると。
どのようにしてクリエイター集団をつくり、管理しているか?
以下にその原則をまとめてみます。
ピクサー流 管理の4原則
1.真の才能を持った人間は非常に稀である。
2.管理職の仕事はリスク回避ではなく、危機が発生したときに素早く回復させることである。
3.どんなときでも本音で話し合えなくてはならない。
4.思いこみを常に見つめ直し、ピクサーの素晴らしい文化を壊しかねない欠点を探し続けなくてはならない
ここから導き出せるのは、
・組織の活性化
・上司(管理職)の役目は、職場作り
でることだと思う。
どの会社でも、苦労していることですね。
さらに「優秀なる人材を中心にした組織作り」のポイントが紹介されているので、あげておこう。
1.クリエイターにこそ権限を
映画業界では自明の理だと思われることも、実際には違うそうである。
映画業界で違うのであれば、他の業界などなおさらですかね。
私はソフトウェア開発で、機能をいれるかどうかの最終判断を管理職がするってのを多く見てきました。
2.現場では平等であれ
(あらゆる立場のスタッフがお互いを支えあうシステムの構築)
3.風通しよく話し合える雰囲気をつくれ
同じ階級はもちろんのこと、違う階級序列の社員とも、平等に接することができるようする。
こういう体制を実現するのは、なかなか困難で用意ではないですね。
ピクサーですごいのは、「社員全員が、誰とでも意思伝達する権利を持つ。」ということが労働倫理になっていることです。
これがどんなにすごいことかというと、ピクサーでも組織内に、意志決定を行う階級序列は、存在するのですが、自分の意志を伝える際には、階級も序列も関係ないということです。
つまり、他部署の問題解決のために、一般的な会社のように、”しかるべきルート”を辿る必要がないということ。
さらには、これは管理職の立場にいる人間が、自ら管轄で起きている出来事について逐一把握する必要がないことを意味にしているのです。
会議に出席して、はじめて問題が発生していることを知らされても、別にかまわないということです。
この点が、他の会社の組織運営と決定的に違うところですね。
まぁ、一般的な会社ではそうはいきません。
この組織運営をするために、必須な事は、現場への信頼ですね。
ピクサーでは、社員全員が、お互いに信頼関係にあるということでしょう。
最後に、正しい軌道を維持するための方法についての心構えをあげておきます。
1.社員に対して明確な価値観を提示する
2.社員との意思疎通の機会を絶やさないこと
3.あらゆる事態について、事後分析をおこなうことを習慣づける
4.現状に疑問を投げかけてくれるフレッシュな人材を注入する。
やはり、ピクサー社の秘訣はモノづくりではなく、人づくりなんですね。
モノづくりは、人づくりとよく言いますが、やはり、人に行きつくわけですね。
第2部の小西未来さんのピクサー社の考察も興味深い指摘が多いです。
これは本書をお読みください。
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