2008年6月29日

小阪裕司さん - ある酒屋さん

いつもお読みいただきありがとうございます。感謝しています。

招客招福の法則―儲けの王道がみえる88の話
小阪 裕司
日本経済新聞社
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から、一つ紹介です。


ある酒屋さんが築いている人間関係の実例。

ボージョレ・ヌーボを販売中のある日、お客さんとこんな会話があった。

その年、ボージョレは百年に一度の出来と言われ、彼の店でも相当余裕を持って
仕入れていたが、すぐ売り切れてしまい、自分の分も販売に回していた。

そこに、ボージョレを予約していたお客が来店し、3本買った後、帰る間際に言った。

お客「この1本、○○さん(店主の名)にプレゼントします。」

店主「えっ? なぜですか?」

お客「だって、○○さん、飲む分ないんでしょ?」

店主「確かにないんだけれど・・・・・」

お客「だからこの1本、○○さんにプレゼントします。」

店主「えっ? そんな・・・頂くわけにはまいりません」

お客「遠慮なさらずに飲んでください」

店主「・・・わかりました。じゃぁ、1本分代金はお返ししますから」

お客「いや、これは私が買ったのだから、私の物です。だからプレゼントします。」


店主は、こう語ったそうです。

「酒屋でありながら、お客さんからワインをプレゼントされてしまった。
酒屋冥利に尽きるの一言です。お客さんにここまで思ってもらっていたことがうれしかったのです。」


そして、お客さんは、「百年に一度の出来というワインを飲めない店主を気遣い、その出来をともに
味わいたかったのだ」と、小阪さんはつづっています。


商売の基本は、人間関係。小阪さんの本には、表面的なテクニックだけでなく深い人間関係を築くためのヒントが満載です。

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