2008年2月23日

デザインからにじみ出る日本の特徴 - なぜデザインなのか - 阿部雅世さん、原研哉さん




今回紹介する本は、阿部雅世さんと原研哉さんの対談です。

なぜデザインなのか。

阿部さんは、ヨーロッパで長年活躍されている
アーキテクトデザイナー。

原さんは、日本で活躍されているグラフィックデザイナー。
愛知万博の当初のコンセプトのデザインも担当されていました。

デザインという言葉を大切にしてきたお二方の対談集。

前半は、東京で、後半はベルリンで行われたものです。

目次


第一章 デザインをどうとらえるか
第二章 言葉とコミュニケーション
第三章 デザインの潮流
第四章 デザインと暮らし
第五章 デザインとワークショップ
第六章 ヨーロッパの生活文化とデザインの関係
第七章 デザインは小学校から学びたい


と章立てをみるだけでも、面白そうですね。

いろいろと面白かったです。

1つだけ気になったところだけをとりあげよう。

日本の特徴は?である。


日本はとにかく世界の果てのような位置にあって、
世界中から影響をうけていますから。


あらゆるものが積み重なって、入り交じって
ゴチャゴチャになっている。


ローマの影響もうけているし、中国の影響も、
インドの影響も、それからオセアニアとかポリネシア系も。


伊勢神宮なんか、どう見ても建築のルーツは南方系でしょう。


それを式年造替という、20年に1回建物を造り直す儀式を
無数に反復しながら、自分たちの理想の形に変容させてしまった。


だからオリジナルは南方でも、伊勢神宮を見ると僕らは
純日本を感じるわけです。


あまりに四方から複雑な影響を受けたので、
それらすべてを止揚して、シンプルにしちゃおうかと、
そういう発想にたどり着いたんじゃないかなと僕は思いますね。


だって、同じアジアでも、余白とか、間とか、
なんにもないということを造型の中に、堂々と取り入れている国って
ほかに見当たらないんですよ。


中国にもないし、イスラムにもないし、インドネシアも
ヨーロッパとは違うけれども、相当に緻密な文様で
空間を埋め尽くす文化で、空白がいっさいない。


室町の終わりころに1回、シンプル、あるいはエンプティネス
というか、空っぽのものをうまく利用して、何もない中に
互いのイマジネーションを交換し合うような、そういう意思の
疎通方法が出てきます。


茶の湯というのは、お茶を飲むというのは実は口実で、
美を運用していくプロセスが定着したものなのだと思います。


茶の湯のシンプルは日本独自のものです。


余白、間、無に、美意識を感じれる。

日本の特徴に誇りをもちますね。




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